第17章【衝撃】










「カドクラさ~ん。カドクラ ケンイチさ~ん。」


「はい。」




金曜日の夜。


仕事をいつもより早めに切り上げたカドクラは再び病院にいた。





「診察室へどうぞ。」



「こんばんは。お願いします。」


「体調はどうですか?」


医師が尋ねる。


「もう大丈夫なんですが、ちょっと咳が。」


「喉の痛みはありますか?」


「少しあります。」


「それでは咳止めの薬とトローチ出しておきますね。」



「ありがとうございました。」


「お大事に。」


ほぼ治っていた風邪だったが、完全に治さないと生徒に迷惑がかかる。


そう考えカドクラはまたこの病院を訪れた。


病院は割りと大きく、学校から近く、診察を遅い時間までやっている。


カドクラにとって心強い病院だった。