ーーーー2年6組



「その後、全員病院に連れてって一旦落ち着いた。」


2年6組ではカドクラが生徒達に真実を伝えていた。


「俺は教師の立場でありながらその時だけ暴力を振るった。
だけど決して支配はしていない。」



しんと静まりかえり話を聞く生徒達。



「俺は・・・」



「嘘よ!」


一人の生徒が静寂を破った。


「だからその人達従えて黒酢を支配したんでしょ?」


ノノムラ マキだった。




「ノノムラ。違う。
その後、俺達は和解した。ゆすりもしてない。

それからも俺は近すぎず、遠すぎない距離で生徒達と向き合った。」




「黒酢の生徒から直接聞いたんですけど。」


ノノムラのこの発言は、自らが噂を広めたと自白したようなものだった。









ガタッ


「俺は先生を信じるぜ。」

ダテ ゆーへいが立ち上がる。



「うちも!」

オオシマも立ち上がる。



「私も。」

連れてアカイも立ち上がった。






「・・ありがとう。」


カドクラは小さく頷く。




「隠してたのはごめん。
みんなに暴力教師と呼ばれるのも仕方ない。

だけど俺はこれからも担任としてみんなと真剣に向き合いたい。」





カドクラは誠心誠意を持って2年6組の生徒に訴えた。












「ノノムラ…座れ…」


生徒みんなカドクラの顔を見て話を聞くなか、

唯一カドクラには見向きもせず、教科書の太宰の物語を読んでいた生徒が斜め前のノノムラに声をかける。



「面白いな…」


そう言うと教科書を閉じたタカハシはうっすら笑みを浮かべた。