俺は夢でも見ているのだろうか。
きっとそうに違いない。
否、そう思いたい。
正春も、蘭も凛桜もそう思っているだろう。
だって、考えられるか?
ランナー4人がスタートで一斉に転んだ
全員が顔から。
「おっと!!スタートから全員が転んでしまったようです!!」
司会の声でやっと我に返る。
二人三脚でもしていたのか?
と思ったが、その後は足の速さで差をつけ始めたから違かった。
なんだ今の
「ねぇ、春樹。僕の見間違いかな?全員が転んだように見えたけど…」
「凛桜も?俺もそう見えた〜!正春も〜?」
「あ、あぁ。なんだ、いまの」
3人とも顔に困惑を浮かべている。
「…たまたまだろ」
***
「疲れた〜!!1位取れた…って、あれ?なんでみんな固まってるの…ですか?」
途中で凛桜と蘭もいることに気付いたのか、不自然な敬語になっていた。
「お、お疲れ様!夏目、最初にお前転ばなかったか?」
「へ?こ、転んでなんかないよっ!それより1位だったよ!」
桃華の目が不自然に泳ぎ、顔は薄い桃色に色づいていて、話を逸らそうとしているのがわかる。
転んだことが恥ずかしかったんだろう
「続きまして、次の競技に移ります。借り物競争に出る人は準備をしてください」
「お、次に出るの春樹じゃね?」
正春の言葉に首を縦に振り、近くに投げ捨てた自分のハチマキを首に巻く。
少しだけ、顔が歪んでしまったことを気付かれないように何も言わずに校庭の方へ歩いていった。
