あなただけの騎士

「玉入れ競走の勝利を収めたのは──


続いて、短距離走です。選手は準備をしてください」


短距離走、か。最後に本気で走ったのはいつだったか。

小学校低学年の頃じゃないか??
中学校は体育祭なんてものはなかったからな。



視界の端に動いたものを見つけ、それに目を向けてみると、背がでかい男と小さい男が恐る恐る、こっちを見ているではないか。


…気持ち悪いじゃねぇか


「蘭、凛桜。お前らきもい」


「っ、春樹ちゃん、それは酷いじゃん!」


「そうだよ!ただ、謝るタイミングを見てただけでしょうが」


ったく、コイツらは何言ってんだか。


「謝る相手は俺じゃねぇし。俺がそんな細けぇこと気にするやつだと思ってんのかよ」


そう言って2人に背を向けて歩き出した。
後ろでなんか騒いでるけどどうせくだらないことだから無視。

向かう先は正春の隣。


「お、春樹。アイツらはもういいのか?」


「いいんだよ。なんで連れてきたんだよ…。
いや、そんなことよりアイツらが来てるってことは、もしかして…ホームの奴らも来てるのか?」


正春は一瞬こいつ何言ってるんだ。という顔をして言った。

「そんなわけないだろ。あんな厳つい奴らが来たら体育祭どころじゃねぇから俺が無理矢理止めてきたんだよ」


感謝しろ、とドヤ顔で言われ、ムカついたからとりあえず頭を叩いておいた。


桃華は玉入れと短距離走だから2種目連続で出るようだ。


スタートの位置にたって準備運動をしている。


桃華は足が速いから1位だろうけどな。


審判が旗を構え、スタートの合図をした。


──パンッ