「…なんで来たんだよ、お前ら」
「なんでって、酷くない?!」
「そんなの、可愛い女の子を見つけるために決まってるでしょ〜」
凛桜に、蘭。
「最近春樹が構ってくれないから俺の方から会いに来たんだよ!」
「はいはい、悪かったよ」
ったく、こいつらは人に縋ってないと生きていけないのかよ。
どっかの小説みてぇにそこまで優しい心は持ち合わせてねぇっつーの。
「おっ?あそこに超可愛い女の子二人組がいる〜!ちょっとナンパしてこよ〜」
普段ならそんな蘭の言葉に耳を貸すことさえしないが、蘭の歩いていった方向は…
さっき、桃華が歩いていった方向。
「待てよ、蘭」
俺の中での大声で呼ぶが、聞こえないらしく…。
「ねぇねぇ、君たち名前なんて言うの?ちょっと抜けて俺と遊ばない?」
「えっ、と、どちら様ですか?」
…チッ、怯えさせてんじゃねえよ。
「蘭。お前、帰れ」
「え、なんで?!俺今何もしてないよね?!」
「いいから帰れ。ここはたらしが来るべき場所じゃねえよ。早く帰れ」
少しでも桃華を汚したくなく、蘭を話そうと試みる。
「え、春樹のお友達?」
“お友達”って、最初に“お”って。
超可愛い。頑張れ俺の口角。筋肉、働け。
「…こんな友達いらな「ちょっと春樹さん?!」…うるさ」
蘭を無理やり引っ張って、小声で…
「いいから凛桜連れて帰れ。正春に何言われたかわかんねぇけど、勝手に桃華と話してんじゃねぇよ」
すると、蘭はなにかに気付いたような表情をする。
「ねぇ、君がトーカちゃん?!俺、春樹の親友の蘭!よろしくね!ところで…
どーやって俺の春樹をオトシタノ?」
笑顔で会話はしているが、その目は笑っていなくて。
「蘭」
「やっぱり君も体を使ったの?」
「蘭、やめろ」
「そうやって春樹に無理をさせるの?」
「蘭!」
「だから女は嫌なんだよ」
「蘭!!やめろって言ってんだろ!」
俺が叫んだことでやっと我に返った蘭。
「っ、だって!また春樹がっ、壊れたら、俺ら…!」
「いいから。黙って。ほら、凛桜のところ行ってこい」
…桃華にかっこ悪いところ見られたな。
「悪い、今のは聞かなかったことにしてくれ。今日の体育祭、楽しめよ」
桃華の顔も見ずにそれだけ伝え、体育祭へ望んだ。
この時、もっと様子を気にしてれば不安を取り除けたかもしれなかったのに。
