安心したような、残念だったような気持ちだった


「それに俺は既婚者だ。子供だっている。妻子持ちがそんな事してはいけないだろう」


私は吹き出してしまった


「先生って真面目なんですね」


「当たり前だろう。教師だからな」


素直で、真面目で、優しくて、


そんな先生をかわいいと思った。


ボールを顔面で受けた事を先生に言い、保冷剤をもらい私は席を立った


「失礼しました」


保健室の扉をあけて廊下へ出た


これからも中城さんのカウンセリングは続き、先生が既婚者だということも変わらないのだろう


そう考えるとなんだか今まで先生に恋をしていた自分が馬鹿馬鹿しく思えて


みんなに『あの噂はデタラメだ 』と、『関先生は優しい人だ』と、伝えなければならない


そして、中城さんが教室に復帰したら仲良くしよう


そう心に決めたのであった