いや、押し倒したのはどうでも良い。



そう思える程、雪の目には涙が溜まると同時に、絶望の縁に立たされた様な、暗く黒い目をしていた。



押し倒されて、顔の熱も鼓動も、先程の倍に熱く早い。



と、



バサッ



と倒れてきた雪。



雪「このまま、僕が雫の初めてを奪うって言ったら、雫はどうする?」



!!



暗い雰囲気を漂わせていても、惚れた弱みの様なものなのか、



カッコよく見える。



………。



「どうもしない」



雪「!?」



ん?



雪はどうすると思ってたんだろうか。



と思いつつ、



「どうせなら、雪に初めてとやらを全て捧げて、もう、離れられなくして欲しいと思うくらいだ」



雪「!?………何で、逃げないの」



逃げる?