私の恋した誘拐犯【完】

「ま、私も喉乾いたしちょうど良かったけど」



自分のクラスのすぐ横にある自販機。



(行くまでに数分もかからないし)



自販機を前に、たくちゃんは案の定炭酸だ。



「やっぱり」



「なんだよ」



「たくちゃんは炭酸だよなぁって」



そう笑って、私も自販機にお金を入れる。



「千織さ」



と、たくちゃんが改まって私を呼んだ。