私の恋した誘拐犯【完】

午後になり、準備も着々と進んでいく。



「千織ー?」



ちょっとした休憩の途中、莉奈と談笑していると、たくちゃんが私を呼んだ。



「あ、たくちゃん。どうしたの?」



「いや、暇だったら飲み物買いに行かねーかなと思ったんだけど」



チラッと莉奈を見たたくちゃんに、莉奈はフッと鼻で笑う。



「いいよ綾瀬。連れてけ」



「あざっす」



何故か莉奈の私物のように扱われる私は、莉奈の言葉でたくちゃんの元へ。



(莉奈は私のなんなんだ…)