私の恋した誘拐犯【完】

早くも悟りを開こうとしていた私の頭上で、



「すみません先輩方、そいつ俺のなんすよ」



いつもの声が聞こえた。



「え?何?彼氏?」



「申し訳ないっす」



たくちゃんはそう笑って、私の腕を引き教室の中へ。



3人の先輩は、何かブツブツ言いながらも去っていった。



「こ、ここ、怖かった怖かったぁぁあ」



「ああいうのはテキトーなこと言って逃げんだよ」



「た、たくちゃん助けてくれたんだよね、ありがと」