私の恋した誘拐犯【完】

「さ、さむいっ」



10月の夜は肌寒く、虫の声が響いていた。



ぶるっと身震いする私に、バイクを押すたくちゃんが静かに声をかける。



「千織と2人で帰るの、久しぶりだな」



「…あ、そうだね。一緒に帰ってたの4月だったもんね」



「あっという間だったよなー、あいつらと仲良くなるのも」



入学してから1番最初に仲良くなったのは、たくちゃんだった。



私が間違えて、たくちゃんの席に座ったときから。