私の恋した誘拐犯【完】

「さ、帰ろうか千織」



「え?もう終わり?」



「他に話すことある?」



さっさとリュックを持って帰ろうとするたくちゃんに、私はキョトンとした顔を見せる。



「だ、だって服…」



「だーから、服は俺に任せとけって言ったろ?ほら帰るぞ」



「あ、ちょ、引っ張らな…」



有無を言わせず、たくちゃんは私の腕を掴んで講義室を出た。



チラッと見えた時計の針は、5時半を指していて、外はもう既に陽が落ちている。