私の恋した誘拐犯【完】

「ち、ちがうよっ」



違うのに、自分の気持ちが邪魔をして声が上ずる。



「ふーん?」



たくちゃんは、なおも半信半疑な顔で、私を見る。



彼氏だったら、隠したりしない。



きっともっと自慢して、毎日ノロケてしまうと思う。



「彼氏なんかじゃ、ないよ…」



もう一度そう呟いて、再び文を打つ。



たくちゃんはそれ以上、なにも聞いてこなかった。