私の恋した誘拐犯【完】

講義室に着くと、ホワイトボードには大きな文字で《文化祭について》と書かれていた。



文化祭が近いという実感が湧いてくる。



(あ、そうだ。洋くんに遅くなること連絡しないと)



ポケットからケータイを取り出し、文を打っていると



「なに彼氏?」



たくちゃんが私の死角から耳打ちをしてきた。



「ちょ、ちょっとやだ、見ないでよ」



咄嗟にケータイを隠す私に、たくちゃんは鼻で笑う。



「見てねーよ。つか彼氏なの?」



たくちゃんの質問に、オドオドしてしまう自分が情けない。