私の恋した誘拐犯【完】

「お、なんだ有栖。やってくれるのか?」



私の立候補がそんなに珍しいのか、クラスの視線がバッと集まる。



特にこれといった理由もなく、何だかいたたまれない。



「や、やります…」



「有栖はちょっとドジなところがあるし、しっかりした人がサポートに「俺やります」



先生の少し失礼な言葉を遮り、手を挙げたのは、まさかのたくちゃんだった。



「珍しいな綾瀬」



「千織1人じゃ不安なんで」



たくちゃんのその言葉に、クラスがドッと笑う。



「し、失礼な…」



ボソッと反抗してみるが、そんな声は、クラスの笑い声に消されていった。