私の恋した誘拐犯【完】

洋くんの目から視線を逸らせなくなってしまう。



「自分はあくまで保護者なんだって何度も……何度も言い聞かせたのに」



少し苦しそうな声。



切なげな表情。



「他の男と付き合ってるなんて聞いたときはもうさぁ……」



自分の前髪をクシャっと乱し、洋くんは呟く。



「…自分の嫉妬レベルに引いたくらいだよ」



バカな私でも理解し始める。



洋くんがもしかしたら



私の期待した気持ちを抱いているのではないかと。