私の恋した誘拐犯【完】

「お、遅いよ洋くん」



「ごめんごめん、ちょっと考え事」



乾ききらない髪の毛からシャンプーの匂い。



洋くんの使うシャンプーの匂いは特別な感じがする。



ただの部屋着なのに、そんな姿にまでキュンとして。



抑えきれない気持ちが今にも吐き出てしまいそうで。



何も言わない洋くん。



ただ沈黙が2人を包む。