私の恋した誘拐犯【完】

なんでそんなに…



「悔しそうな顔するの…?」



「ちーちゃん……っ俺もう、これ以上は…」



「洋くん」



そっと洋くんの頰に触れた。



ピクッと揺れた洋くんが顔を上げ、私を見る。



「私、洋くんのこと大好きだよ」



本当なんだよ



本当に好きで好きで、毎日辛いんだよ



そんな毎日さえも忘れてしまう話しなんて存在しないと思う。