私の恋した誘拐犯【完】

「怖いんだよ……」



「…洋くん…」



「自分で分かってたんだから…人として最低なことをしてるって…」



自分の手のひらを見つめながら、洋くんは眉間にしわを寄せた。



洋くんが今まで、こんなにも辛そうな顔を私に見せたことがあっただろうか。



洋くんにそんな顔をさせる理由が私にあるのだとしたら



「知りたい…」



「…ちーちゃん…」



私は、真実を含め洋くんのことをもっと



「知りたい…!」



心の底からそう思う。