私の恋した誘拐犯【完】

「違うんだよちーちゃん」



「…違うって何が……っ」



力なく私を見つめる洋くん。



表情が崩れていく。



「これ以上話すとちーちゃんが……俺を嫌いになる」



「な、なんで…?そんなことあるわけな「なるんだよ…本当に」



目元を覆う洋くんが冗談を言ってるようには見えなかった。



(どうして私が…洋くんを…?)



「わ、私は昔も今も…!洋くんのことずっと大好「それは……!!何も…知らなかったからなんだよ……」



私の言葉を遮る洋くんの声が



震えていた。