私の恋した誘拐犯【完】

「…え…?」



背を向けたまま私を見ない洋くん。



《見つかって良かったです…6年も…どこに行ってたのか…っ》



テレビに映るのは6年経っても忘れない顔、パパ。



たしかにパパだった。



「ね、ねぇ洋くん、このニュースなんかおかしいよ…」



どうして?



私はここにいる。



パパが失くした娘はここにいる。