ハハッと笑った洋くんの息が、白くなって宙へ消える。



「息、白いね」



何の気なしに呟いた私の声に、洋くんはハァッと息を吐いた。



「ほんとだ。…暖房つけよっか」



洋くんが暖房をつけに立ち上がり、私に背を向ける。



《次のニュースです》



ふと、耳に入った声。



《6年前から行方不明となっていた有栖千織さん16歳。昨夜発見され無事保護されました》



時間が止まったように感じた。