いつも助けてくれた、いつも見ててくれた。



私を



好きになってくれた。



私がしていたのは、そんなたくちゃんの想いを無駄にしていたことだった。



「だから泣くなって千織」



たくちゃんの声が震えてるのに気づいてた。



だから自分の涙を拭って見て見ぬ振りをした。



たくちゃんが少しだけ、涙を流していたこと。



「俺は千織の笑顔を見れるほうが、今の何倍も幸せだよ」



最後にそう言って私の頭を撫でてくれたたくちゃんの隣は、もう私の場所ではない。



けれどもう、自分に嘘はつかない。



真っ赤なもみじが風に吹かれ舞い上がり、青い空へと飛んで行った。