私の恋した誘拐犯【完】

一刻も早く、笑って欲しかった。



「私なら大丈夫だから!」



「何が大丈夫なんだよ…」



「私たくちゃんにはもっと笑って「それが…!!!」



聞いたことのないような大きな声。



ビクッと肩が上がる。



「それが…痛えんだよ」



痛い



たくちゃんはそう言ってこれでもかというほど表情を歪めた。