私の恋した誘拐犯【完】

「…うん、わかった」



それからどれくらいして料理が運ばれてきたのか、味はどうだったのか。



頭がぼんやりしていてあまりよく覚えていない。



ただ覚えてるのは、お互いの話しにお互いが作り笑いを浮かべていたってことだけ。



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「まだあと30分もある…どこ行こっか?」



お昼を食べ終えて腕時計を見ると、自由時間終了まで30分が余っていた。



「千織」



「あっち!あっちのもみじ綺麗だよ行こ!」



たくちゃんが言おうとしてること、聞くのが本当は怖い。