私の恋した誘拐犯【完】

「なあ千織」



「ん?」



運ばれてくるのを待ってる間、外の景色を眺める私にたくちゃんが声をかける。



ワンテンポ遅れてたくちゃんに目線を移すと、そこにはどこか寂しげに笑うたくちゃんが。



「どうしたのたくちゃん」



「これ食べたらちょっと話しある」



「話し?」



胸がザワザワとした。



きっとこの予感は当たってる。