私の恋した誘拐犯【完】

選手が交代し、試合は少しずつ変わっていった。



なんとなく味方チームの士気が上がった気がする。



きっと、たくちゃんの思いを汲んでいるのだと思う。



点数差は16点。



残り時間8分。



たくちゃんの応援する叫び声がこっちまで響いてくる。



負けたくない



この試合に出てるみんながそう思って。



「なんか…いいね、スポーツって」



「なにちぃ、いきなりそんなこと。負けてるのに」



突然そんなことを言い出す私に、莉奈もキョンタも不思議そうな顔を向ける。