私の恋した誘拐犯【完】

この試合は楽しい。



ずるくない、正々堂々とした戦い。



たくちゃんがイキイキしてるのが分かる。



「やった!綾瀬の得点!」



「ね、ねぇ、たくちゃんちょっと…腰痛そうじゃない?」



だけどこの試合が始まってからずっと思ってた。



時々腰を抑え、苦しそうに表情を歪めるのだ。



「え、やだ…もしかして昨日の?」



莉奈も心配そうにたくちゃんを見つめる。



「俺も思ってた…なんか拓巳辛そうだよな」