私の恋した誘拐犯【完】

「やっぱり彼氏が危なくなったら怖いよな、彼女は」



“彼氏”



自分で言ったことなのに、一瞬ドキッとしてしまった。



「あ、う、うん、怖いよ」



洋くんに目を合わせないように、この気持ちを悟られまいとキッチンへ向かう。



空いたお皿を洗おうと、手を伸ばした。



「ちーちゃんはさ」



「っ」



そんな私の伸ばした手の上に、突然洋くんの手が重なった。



ビクッと動けなくなる体。