私の恋した誘拐犯【完】

洋くんは時々うんうんと相槌を打ちながら、黙って聞いてくれる。



「そしたら相手がドーンって突進してきて…」



「ちーちゃん、擬音が多くて何がなんだかよく分からないよ…」



「だから!こう、相手がドーンって!ズドーンって!そしたらたくちゃんがズデーンって…」



「倒れちゃったんだね」



「そうなの!ひどいよねーっ」



洋くんは私のことを分かってる。



話しやすくて楽しい。



ずっと一緒にいたい、そんな想いもそろそろ整理をつけなきゃいけない。