私の恋した誘拐犯【完】

これでまだ準決勝なんて、明日がどれだけ接戦になるのか。



ふぅ、と息をつくと解散の笛が鳴り響いた。



「ほら見てみぃ!やっぱ綾瀬のチームが勝ったんやわ」



「ほんまや…明日は絶対おもろい試合になるわぁ」



と、戻ってきたのか先程の関西弁の男の人たちが隣へ。



私の視線に気づくと、片方の男の人が私を見て



「いい勝負になるとええな。ま、負けへんけど」



気持ちのいいくらいの笑顔でそう言った。



「…ったくちゃんも…!負けません…!」



釣られるように私も笑顔を返す。