「あ、洋くんひき肉___」



トンッ



ひき肉を探すのに気を取られ、隣の人にぶつかってしまった。



慌てて頭を下げる。



「ご、ごめんなさい…!」



必死に頭を下げる私に、返ってくる声はない。



あれ?と顔を上げて、つい眉をひそめてしまった。



「…た、たく、ちゃん…」



タイミングが良いのか悪いのか。



目の前に立つたくちゃんは、色のない目で私を見下ろしていた。