私の恋した誘拐犯【完】

「俺のせいだったんだね」



「よ、洋くんのせいじゃ…!」



違う、洋くんのせいなんかじゃない。



言われたのは洋くんのことでも、怒ったのは私だ。



洋くんには1%だって責任はない。



「ちーちゃんを泣かせたのも同然なのに…ごめん俺…」



「洋くん…?」



私を離した洋くんの表情。



泣きそうに笑う、その顔で



「嬉しいんだわ…」



そう言ったのだ。