私の恋した誘拐犯【完】

(な、なに逆ナンなんてされてるの洋くん…!)



「ごめんなさい、連れを待ってるんです」



「洋くん、お待たせ」



少し声を大きめに、いつもより近めに洋くんの元へ。



「あ、失礼しました…」



私の顔を見ると、女の子たちはそそくさと去っていった。



「な、なに逆ナンなんてされてるの洋くん」



「助けてくれてありがとねちーちゃん」



少しだけ馬鹿にしたような笑い方さえも、洋くんは様になる。



ついドキッとしてしまう私のことなんて、洋くんは知らないんだろう。