私の恋した誘拐犯【完】

「いってーな…んだテメェ!」



手を離された男の人は、その場に大きな音をたてて崩れ落ちた。



騒ぎを聞き、莉奈たちもこちらに気づく。



「ち、ちぃ!大丈夫!?」



莉奈の言葉も耳に入らないほど、私は今目の前の人のことで頭がいっぱいで。



何で、



何であなたは



「よ、洋くん…なん、で…」



「だから、アリスちゃん目当てのお客さんだってば」



そうやって、いつも余裕の笑顔を浮かべるのだろう。