私の恋した誘拐犯【完】

「今から抜けて、俺らと遊ぼうよ」



腰を引き寄せられ、ニタァと気持ちの悪い笑顔が間近に。



「ほら、行こう?」



男の人は強引に私の腰を引くと、出口の方へと連れていくようだった。



抵抗する足が、もつれて言うことをきかない。



「はいはい、抵抗しなーい」



「や、やめ「すみません、俺もアリスちゃん目当てなので勝手に持ち出されると困ります」



その声は耳をすっ飛ばして、心臓に響いてくるような声だった。



男の人の手を軽々と捻る、少し骨ばった手。



頭一つ分離れた身長。



嗅ぎ慣れた、柔軟剤の匂い。