私の恋した誘拐犯【完】

助手席の窓が開き、中から洋くんが顔を覗かせる。



「ごめんちーちゃん、遅くなって」



「ううん、大丈夫だよ!…じゃぁ、たくちゃん気をつけて帰ってね」



おう、と頷いたたくちゃんは、私の頭を優しく撫でると、駐輪場の方へと向かって行った。



その背中を見送り、車へと乗り込む。



「ごめんね洋くん、お迎えなんて…」



「別に構わないよ」



どこかぶっきらぼうにそう言った洋くんは、そのまま車を走らせた。



(機嫌悪い…?)