私の恋した誘拐犯【完】

昇降口に出ると、秋の肌寒い風が強く吹いていた。



「わ〜…風強いね…たくちゃん今日もバイク?」



「当たり前だろ」



「風すっごく強いから気をつけてね」



そう言ってお別れだと思い、手を振るが、たくちゃんは一向に動く気配はない。



「あれ?行かないの?」



「いや、どうせだし一緒に待ってるよ」



「へ!?悪いよ!大丈夫だから私なら!」



木々が揺れ、ザァッと髪を揺らしていく夜風。



私はたくちゃんに、精一杯首を振ってみせる。