私の恋した誘拐犯【完】

「なに焦ってんだよ」



「あ、焦ってないよ…」



10枚ずつ重なった資料は、隙間風にぱらっとめくられた。



一瞬の沈黙。



「どうなんだよ」



「わ、私のことはどうでもいいじゃん…!続けようよ、仕事」



「俺には聞いといて、自分は秘密ってか?随分とずるいやつだな千織も」



バカにしたように鼻で笑ったたくちゃんは、煽るように私を見つめている。



少し勘づいてるようにも見えた。