私の恋した誘拐犯【完】

「な、なんで?」



私の質問には答えることなく、たくちゃんは作業を再開。



(なんで私が聞いちゃいけないんだろう…)



「わ、私はたくちゃんなら、彼女の1人や2人、いてもおかしくないと思ってるよ」



「ふーん」



「結構女子から人気なんだよたくちゃん!この前も友達が、たくちゃんのことかっこいいって言っ「嬉しくねんだわ」



こっちを見ることなく、たくちゃんは言う。



その横顔は、クスリとも笑ってなかった。