王族の婚姻をなんだと思っていますか!

「で、殿下⁉ 目が回りますから」

びっくりして瞬きを繰り返すけれど、彼はやめるつもりはないらしい。

「あなたならこれくらいは平気でしょう」

満面の笑みを浮かべるウォル殿下を見下ろし、私も笑ってしまった。

「父上が見てますわ。それに、ここは神聖な執務室でしょう?」

「構いませんよ。執務室は執務室で、特に神聖でもなんでもありません」

言いながらも、くるくる回るのは止まらない。

次第におかしすぎて、声をあげて笑ってしまうわけだけど、突然、彼が妙なことを言い始めた。

「ああ、でもノーラがここを神聖な場所だと言うのなら、陛下をここに呼んで、すぐにでも婚姻をしてしまいましょうか」

なに言ってるんだ? そう思ったのは私だけではなかったらしい。

「王族の婚姻をなんだと思っていますか!」

異口同音、同時に私と父上と、そしてルドさんの悲鳴に似た叫び声が城に響き渡った。

相変わらずウォル殿下は得体の知れない人だ。

そう思っても、幸せなんだから、これでいいのかもしれない。









2017/12/9 完結