20xx年 春

今日は待ちに待った高校の入学式!!
私は桃井いろは、15歳 華のJKです!!
私の入学した学校は体育館に名前が張り出されるから、それをいち早くみたくて体育館に一番乗りした。

体育館の入口が分からなくて学校の中をきょろきょろしながら歩いていると、

ゆ「あれ?もう新入生来てんの??」

新入生の学年カラーの赤色のネクタイを見て言った。いろはは突然の人の声に、びくっと肩を震わせた。

「あ…おはようございます…。」

「きみ、まだ1時間前なのに早いね!!」

「はい、すみません…」

「え!なんで謝るの〜!?」

フレンドリーな先生に戸惑いながらいろはは答えた。

「あっ、なんてゆーか…癖なんです」

「そーなんだ!なんの癖なの??」

「はい…あの、心配性で早く来てしまいました。」

「あ!そゆことね!きみ、名前なんていうの??」

「桃井です、桃井いろは。」

「いろはちゃんね!俺は井口悠真!!…あれ?桃井いろは…?」

「な、なんですか…??」

井口先生は口調が軽くてなんか同級生みたいに話しやすかった。すると先生はぱらぱらと新しい担当クラスの名簿をめくると、あっ!と声を出した。

ゆ「入学式楽しみにしときな〜!」

と言うと小走りで体育館の校舎側出入口に走っていった。

い「なんだったんだろ?」

こうしてるうちにだんだんと人が多くなりあっという間に入学式が始まる時間になった。

い「あ、緊張してきちゃったな…」

すると後ろからとんとんっと肩をたたかれた。

「あれ?いろは??」

「え…?あれ?なっちゃん!?!!」

「いろはじゃん!5年ぶり!!」

なっちゃんこと、ななねは小学4年生の終わりごろ転校していってしまった、大が付くほどの親友で幼なじみだった子だ。
小学4年生の時は携帯なんて持ってなかったから、ななねが同じ高校だなんて知らなくて夢にも思わなかったのだ。

「ほんとになっちゃんだよね…?」

「本物だし!!笑 クラスが張り出された時にいろはっていう名前でピンと来たんだ〜」

「同じ学校だなんてうれしすぎだよ〜泣」

「しかも同じクラスだったよね!?」

「え?そーなの、、?」

「あれ?そう言われると自信ない笑」

「3くみ??!」

「あっ!笑」

「ほらっ!!!!!」

「やっば!!!」

ふたりの声が綺麗に重なった

「今日ほんと、幸せだなー」

「私も嬉しすぎて飛べそう…」

「飛んじゃダメだよ〜笑笑」

いろはとななねは入学式が始まる直前まで喋り続けた。

教頭「第56回〇〇県立桜木高校の入学式を始めます」

1組担任「入学者の点呼をとります。1組担任の澤田です。1年1組!…阿久澤拓真、石田…………」

男子から順に名前が呼ばれていった。

するとあっという間に3組の順番になっていた。

3組担任「3組担任の井口悠真です! 1年3組、朝倉……」

「あれ!?ななね!井口先生だ!!!??」

いろははびっくりして隣りのななねに話しかけた。

「静かにしな!!笑笑 え?知ってるの?」

「今日朝から話したの!!笑」

ゆ「…中村ななね」

な「あ、はい!」

ななねは、話に夢中になって先生の点呼を聞き逃しそうになった。

な「またあとでね!」
立ちながら話すことはさすがに出来ないので2人はあとで話すことにした。

それから点呼は続き、

ゆ「桃井いろは」

い「はい!!」

いろはは元気よく返事をして立ち上がった。

そして長々と入学式は続き、次は各自で教室に向かうことになった。
1年3組は中校舎2階の真ん中にある。

「入学式長かったね〜」

「ほんとねー、長い!校長先生いいこと言ってたけど長い!」

「それ!ほんと長かった〜」

「あ、いろはさ、担任の先生と知り合いなの?」

「朝早く来ちゃって話しかけられてそれから親近感が勝手に湧いてるの笑」

「そゆことかー!あの先生結構かっこよかったよね」

「ね!結構好み〜♡」

ふたりが仲良く話してるといきなり男の人にはなしかけられた。

「ふたりとも!!教室はこっちじゃないよ〜!!」

「え??!井口先生!!」

いろはは先生にびっくりするのと同時にさっきの会話が聞かれてないか気になった。

「すみません!急いで戻りますー!いくよ、いろは!」

「うわぁ!!」

いろははななねに勢いよく引っ張られて変な声が出てしまった。

(恥ずかしい〜!!先生にも聞かれたし!)



「いろはちゃんとななねちゃんかー、楽しそうな1年になりそうだな!」

いろはとななねと先生は教室に向かった。