コンコン。美香のことが心配で部屋の前にきた祐介。
「お兄ちゃんだ。美香と話がしたいからドア開けてくれないか?」
「今のお兄ちゃん嫌」
「そんなこと言わないで、俺は美香が大事なんだよ。お願いだから」

部屋の中から、ガチャとドアを開ける音がして、泣きはらした美香が目の前にいた。
「美香...」
「その荷物なに?」
「優馬と一緒にいたくないんだ。美香が心配だし」
部屋に入って荷物を置く祐介。
「お兄ちゃん...」

ふっと優しい顔になった祐介を見て、涙が出る美香。
「美香、なんで泣いてんだよ?」
優しく抱きしめる祐介。

「お兄ちゃん、今すごい優しい顔した。私、なんかほっとした。嫌いなんて言ってごめん。お兄ちゃん大好きだよ。だから、これからも今のままのお兄ちゃんでいて」

「ありがと、美香。そう言ってくれてお兄ちゃんも嬉しい。美香の兄は俺。俺の妹は美香だけだからな」
「うん。お兄ちゃん今日一緒に寝よう。昔みたいに」
「そうだな」

美香はお風呂に入って、ベッドで2人眠りについた。布団の中で仲良く手を繋いで。


その頃優馬は。大人しくしてるけど、布団の中で泣いていた。
「祐介のバカ!僕の寂しさ分かってんのかよ...」と。