「瑠斗」


「!…杠?」


やっぱり気がついていなかったようで、あからさまに驚いている。
良かった、私服で。病院用のパジャマとかだったら恥ずかしいや。
マジマジと久しぶりにみてかっこいいな
なんて惚気けてしまう。

私の彼氏なんだよ!信じられるか!

って叫びだしそうになる。


「ちょっとだけお話してもいい?」


「何、改まって」


切れ長なくせに大きな黒目を白黒させて微笑む瑠斗。


「えへへ、瑠斗と話したいだけ。」


「…別れ話以外なら」という返しに胸がはち切れそうだった。