「あ!ゆずりおねぇちゃっ!」


小児病棟につくなり、ふれあい広場で遊んでいた哀ちゃんが飛びついてくる。
この子は喘息の持ち主だからたまに薬をもらいに来る。
確か、五歳ぐらいだったと思う。


「哀ちゃん、今日はどうしたの?」


「昨日、コンコン出たから、おすくり、もらいにきた!」


元気よく言ってるところを見るともう元気みたい。
近くにいつもいるお母さんがいない。


「今日はお母さんは?」


「今日はお兄ちゃんと来た!」


「お兄ちゃんいたんだ」