「ゆ、杠(ゆずり)ちゃん…み、みてたの?」


「た、たまたま。あの、ね、相談事があるんだけど…」


私の名前を覚えてくれているだけで嬉しくなる。それでもクールな装いで私は秘密基地にしゃがみ込んだ。

棒立ちしていた遥も私の隣に座る。そしてか細い声で


「何?」


と首をかしげた。