瑠斗は会話をそこそこに中庭を表口から出ていった。
裏口にいた私には全く気づかない。

それをいいことに誰が告白をしたのか気になって覗いた。そこにはクラスで一番可愛い小柳遥がいた。

笑顔を色んな人に振りまくような本当にいい子だ。
一人呆然と立ち尽くす。

絵になっていた。

光の入らない秘密基地なのに、彼女は柔らかく輝いていた。


「ねぇ」


私は躊躇なく話しかける。
今人に会うのは酷だろう。ましてや好きな人の彼女なんて性悪にも程がある。

それをわかった上でやっている私は最低だ…


私は今日から悪女になるって決めたから、これが正解なんだ。

心が酷く痛んでいるのも、時期に薄れるはず。

そう割り切る。