杠は、俺たちがみんなで笑い合えたあの日から1週間後、深い眠りについた。

手紙をゴミ箱に捨ててあって、本当は渡すつもりはなかったのかもしれない。
代わりに枕元に綺麗な桜柄のメモでたった一言。


『忘れてください』


なんて残してあったから、またみんなで「嘘つき」と泣いてしまった。


あっさりした白い封筒に白い便箋。ポツリとゴミ箱に収まっていた。
俺はやっぱり馬鹿だから隅から隅まで読んじゃった。

穴が開くほど読んで読んで読みまくった。

その度に杠が思い出になっていった。