「そういう小柳だって俺を杠のことで揺すって…」


「何のことかしら？ねぇ植本」


「お前はやっぱり小賢しいやつだな、特に騙すことに関して」


植本君は遥かちゃんをにやにやしながら睨んでいる。


「女の子に“お前”はないだろ」


「え、瑠斗！寝返り？！」


「そうね、いくらトラウマがあってもね、あの頃の私は一途すぎたの」


「ちょっ、どう思う！？杠ちゃん」


「植本君が悪い」


急な賑やかさに懐かしくなって自然と笑い声が漏れた。