私の彼氏と浮気してください。

「分かってるよ、叶わないの」


それでも願わずにはいられないから伝えずにはいられないから。

反発してるみたいな強い口調になった私を諭す意を込めて頭を撫でてくれる。


「叶わないことかもしれないけど願っていてほしいんだ。やっと出来た杠の夢なら俺が叶えてやるって言ったからな」


「……カッコつけ」


あまりにもかっこよぎて、目を逸らす。これ以上見ていたらまた我儘だらけになっちゃいそうだった。


「まぁ叶わないことも二人で願えば叶うかもしれない!神やら仏やらがいるなら杠に課したことを恨み倒すけど、コレばっかりはそいつらに頭を下げなきゃ」